辞典で暇つぶし

辞典と図鑑が大好きです。

〔逆引き辞典を使う〕

日常生活の中でブルーベリー、ラズベリークランベリーなど、〔○○ベリー〕と付く植物名によく出会う。
カタカナ語が載っている辞典類を引くと綴りは〔berry〕である事はすぐに判る。
別の単語である〔very〕〔belly〕と混同しないためにもこの確認は大事。

そして、
プログレッシブ英語逆引き辞典〈コンパクト版〉』(小学館/2006)
で〔berry〕を引いてみる。むろん、語尾に〔berry〕が付く語を見つけるためだ。
すると、あっという間に100語近い○○ベリー類にたどり着く。食用とならないものや一部植物とは無関係な語も含まれている(→*1)にしても、植物名の語彙は格段にアップする。
また、例えばたどり着いた単語に〔blueberry〕があった場合には〔○○blueberry〕と付く語があるかもしれない(→*2)。そこから先は辞典ではなく植物・果樹・園芸の参考書の登場だ。

では次に〔apple〕を引いてみる。
当然〔○○apple〕が沢山出てくる。
こちらも植物名以外の多くの語彙に出会う事になる(→*3)が、英語圏でのappleのイメージが大まかに掴めてくる。

同じ要領で広く【草】を意味する〔weed〕、そして広く【樹木】を意味する〔wood〕を引いてみる。もちろん植物名がズラリと並んでいる。
慣れてきたら、例えば
〔wort〕〔oak〕〔elm〕〔elder〕
と植物名によく使われる語を次々と引いてみるのがこの逆引き辞典を使った語彙増強法。

昆虫であれば〔bug〕〔ant〕〔beetle〕〔fly〕〔butterfly〕〔moth〕など、哺乳類であれば〔cat〕〔dog〕〔wolf〕〔deer〕〔sheep〕など、甲殻類であれば〔crab〕〔shrimp〕など、魚類であれば〔fish〕〔eel〕〔shark〕など、貝類であれば〔clam〕〔shell〕、気持ち悪い細長い虫系であれば〔worm〕などといった具合に引いてみれば、単純な言葉から細かい種名へと語彙は大きく広がる。

この逆引き辞典は約34万語が収録されている『ランダムハウス英和大辞典 第2版』(小学館/1994)を資料として編纂されたものなので、各々を詳しく知りたい場合は元の大辞典を引くべきだが、ざっくりとした意味を知りたい場面では語彙増強効果は抜群だ。

☆☆☆☆☆

*1
dillberry
《米俗》尻の毛についた糞や紙.
dingleberry
《俗》動物の尻にぶら下がっている小さな糞などの塊.
oysterberry
《米俗》真珠.
razzberry
《話》屁.

などなど、少し品の無い語彙も含まれる。

*2
highbush blueberry
lowbush blueberry
rabbit-eye blueberry

ほーら、やっぱりブルーベリーにも色々な種類や品種がある。農業・園芸の専門書を見ればもっと詳しい情報が入手出来るかも……?

*3
alley apple
《米俗》石ころ;馬ぐそ;役立たず.
bad apple
《俗》うそつき;ろくでなし.
horse apple
《米俗》馬糞.
road apple
《俗》路上[道端]の馬糞.
sad apple
《米俗》嫌な奴;下劣な奴.
wise apple
《米俗》うぬぼれの強い男;愚か者.

いやはや、下品な言葉の数々。俗語として悪口・罵詈雑言にも使われるんだねえ。

☆☆☆☆☆

残念ながら私の手元には『ランダムハウス英和大辞典』は無いのだが、いずれ入手して元になった記述を読みたいものである。また、手元にある『英和大辞典』(研究社)との比較にも興味が湧いてきた。

2022.02.28