辞典で暇つぶし

辞典と図鑑が大好きです。

〔料理名・食材名のカタカナ語〕

近年、料理名・食材名にはカタカナ語が氾濫している。フランス料理が流行ればフランス語、イタリア料理が流行ればイタリア語、韓国料理が流行れば韓国語が各々カタカナでどんどん増えていく。

試しに昨年(2021年)10~12月にTV放映されたバラエティー番組の中から、私が知らない(またはうろ覚えの)料理名・食材名をメモしてみたら軽く100語を超えていたので呆れて、それ以降メモするのをやめた。これは学者あるいは料理人の仕事である。私はどちらでもない。

念のため、メモした単語が手持ちの辞典数冊で項目として採録されているかどうかを確認してみたが、全体の3割程度しか辞典類には載っていなかった。紙媒体のカタカナ語(外来語)の辞典は常に更新し続けなければならないようだ。

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随分昔だが(1980年代?)、ズッキーニが分類的に何科の植物なのかを調べようと家にあった『世界大百科事典』(平凡社/1972)を引いてみた。

まずは普通に「す」から引いたが記載無し。しかし、これで終わると百科事典を引いた事にはならない。通常、百科事典には総索引というものが付属している。別の項目の中でズッキーニに言及している部分があるかもしれない。それを見つけるために総索引というものは存在するのだ。

結局、残念ながらこの百科事典には総索引の中からもズッキーニは検索出来なかった。これを踏まえて、百科事典を補うという役割を担うカタカナ語の辞典を買う事にした。

これが私の辞典放浪癖が強まった瞬間の話である。百科事典の補完用の辞典が増える。何となく本末転倒のようにも思える(笑)が、百科事典は古いと役に立たない場合があるというのも歴然とした事実である。

当時はコンピュータ・パソコン時代の黎明期で、インターネットで何でも調べられる環境など夢の世界であった。現代では複数の辞典を同時に文字列検索する事が可能なため、スマホ一つで情報は簡単に入手できる。その一方で一般人がUPしたネット情報も氾濫しているため、情報の学術的な信頼性も個人で判断する(しなければならない)事態に陥っている。

便利になった一方で、真贋の判断は個人持ち。これまた本末転倒に思えなくもない(笑)。

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ちなみに、紙媒体の辞典『広辞苑 第四版』(岩波書店/1991)では〔ズッキーニ〕は載っている。ズッキーニが載っているかどうか、私個人の辞典選びの一つの指標になっている(笑)。あとは〔カミキリムシ〕が単独の項目として載っているかどうか。載っていれば昆虫(→生物学)に明るい編集者(またはスタッフ)が参加している証拠。これも経験から得られた個人的な辞典選びの指標の一つである。

だから何なんだ?って聞かれても困る。個人の辞典選びの基準である。ただ、辞典好きという趣味を持つ人の中にはこれに類するような指標(買うための)を持つ人は多いのではなかろうか?という単純な指摘、それだけの事である。

ズッキーニやカミキリムシが載っていない場合には私が次に購入する辞典の優先順位リストの下位に落とされるわけだ。他にも幾つかの指標となる単語があるが、あまりにも個人的な指標であるため、リストアップしてもあまり意味が無い(汎用性が低い)ので省略する。

2022.03.16
2022.03.19(加筆)