辞典で暇つぶし

辞典と図鑑が大好きです。

〔昆虫の名前の中のカタカナ〕

昆虫図鑑を眺めていると、ダビドサナエの〔ダビド〕、ラミーカミキリの〔ラミー〕、ベダリアテントウの〔ベダリア〕、ガロアムシの〔ガロア〕等々、「何だろう、この名前は?」という不思議なカタカナ語に出会う。

図鑑にもよるが、その由来が記されていない場合が多い。標準和名として図鑑に掲載されているにもかかわらず、解説が一切無いという不親切さである。人によっては全く気にしないのかもしれないが、私は気になって仕方がない。そのカタカナの意味を知りたい、の一点だけだが、記載が無い。こうなると、自力で調べるしかない。

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トンボ類の標準和名の中には、冒頭の〔ダビドサナエ〕以外にも〔マルタンヤンマ〕〔ミルンヤンマ〕〔リスアカネ〕〔モートンイトトンボ〕の計5種にカタカナ(人名)が入っている。

これらの人名は“種”として記載された当時の動物・植物学者や採集家の名前で、もはや“博物学”の領域である。

ちなみに、
ガロアムシ〕のガロアも人名。
ラミーカミキリ〕のラミーは残念ながら植物名で人名ではない。このカミキリムシ自体は外来種である。
〔ベダリアテントウ〕のベダリアは学名由来であるのは確かだが、その学名自体は語源不明。海外から“生物農薬”として導入された種である。
同じくテントウムシ科の
〔ムーアシロボシテントウ〕のムーアは人名。

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考えてみれば、考古学分野の〔ナウマンゾウ〕やカエルの一種〔シュレーゲルアオガエル〕、ハエトリグモの一種〔アダンソンハエトリ〕等々、カタカナの人名を冠した日本語の生物名は枚挙に暇(いとま)がない。

これらの人名を一つ一つ調べてみるのも辞典好きには良い暇つぶしになる。

2022.03.07
2022.03.11(加筆)