辞典で暇つぶし

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〔動物・植物の難読漢字〕vol.02

前回は植物の難読漢字をいくつか紹介したが今回は動物の難読漢字を紹介しよう。

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【大蛇】
読み方は〔おろち〕。
〔だいじゃ〕〔おおへび〕と読んでも間違いではない。難読漢字の中では序の口。
一般的には【八俣の大蛇】で知られた語であるが、【虵】【虵蛇】で〔おろち〕(歴史的仮名遣いでは〔をろち〕)と読ませる方がより一層難読漢字っぽいであろう(笑)。

【赤楝蛇/山楝蛇】
読み方は〔やまかがし〕。
蛇の一種。ナミヘビ科ヤマカガシ属。
古くは無毒とされていたが研究が進んだ現代ではれっきとした毒蛇とされている。読み難い上に、まずヤマカガシという蛇を知っているかどうかを問われる。

紙魚
読み方は〔しみ〕。昆虫の名称である。
昆虫綱総尾目(シミ目)。
昆虫は過変態(亜成虫の時期を有する)、完全変態(蛹の時期を有する)、不完全変態(蛹の時期を経ない)などの分類が為されるが、シミ類は無変態(成虫と幼虫が大きさが違うだけで同じ形態)という原始的な昆虫である。
【衣魚】【銀魚】など辞典類によく登場する漢字表記の他、【蟫魚①】【蠹魚②】などの表記も昆虫のシミを意味している。林修先生に勝つ(笑)ためには①②などをお薦めする。

【朱鷺】
読み方は〔とき〕。
言わずと知れた鳥の名称である。分類的にはペリカン目トキ科トキ属。
これは難読という程ではない、と断言できる方向けには【桃花鳥】【鴇】【紅鶴】【鵇】【鴾】【鳭】【䴈】【?】(←表示不可;月に鳥)なども〔つき〕(古い時代のトキの意味)と読む事を覚えておくと漢字オタクとして尊敬される(かもしれない)。

【天牛】
読み方は〔かみきりむし〕。
甲虫の一群の名前である。分類的には鞘翅(甲虫)目カミキリムシ科。
髪切虫】が本来の表記だが、現代では【紙切虫】という表記も一部の辞典に採用されている。かつて昆虫学の黒澤良彦博士は【咬切虫】という表記を提唱した。

【瓢虫】
読み方は〔てんとうむし〕。
鞘翅(甲虫)目テントウムシ科。
通常は【天道虫】という表記だが、一部の図鑑では中国語の【紅娘】(ホンニャン)を採用している。
漢字【瓢】は〔ひさご〕と読み、ユウガオやヒョウタンを意味している。テントウムシという名前を“ヒサゴムシが本来の名前である”とする記述をかつて読んだ事があるが、辞典の類で採用(言及)されているのを発見出来なかった。

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今回は同じ生き物に複数の表記があるものを集めてみた。得意分野の昆虫が多いのはご愛嬌。

2022.03.19
2022.03.21(加筆)