辞典で暇つぶし

辞典と図鑑が大好きです。

〔植物の資料に埋もれた日〕

私が植物の名前や基礎知識を調べる際に使用する図鑑や事典を紹介する。WEB上の事典や図鑑ではなく、“紙の本”に限定してある。

『植物の世界』(週間朝日百科)
朝日新聞社/1994~1997
これは知識収集の定番にしている。日本産だけに限らず世界各地の植物が収録されているからである。

『植物の名前小事典』
清水清著/誠文堂新光社/1978
『花と緑の事典』
六曜社/1996
『きのこの語源・方言事典』
奥沢康正 奥沢正紀著/山と渓谷社/1998
『語源辞典 植物編』
吉田金彦編著/東京堂出版/2001
『花と樹の事典』
柏書房/2005
『ハーブ学名語源事典』
大槻真一郎 尾崎由紀子著/東京堂出版/2009
事典・辞典ではこの6冊。それぞれ特徴のある事典だが『植物の名前小事典』は異名・方言名が豊富に収録されている。キノコ類を植物に含めるのはどうかと思うが、『きのこの語源・方言事典』は力作でキノコ以外の方言全般を調べる上でも有効。『ハーブ学名語源事典』はその分野に特化した珍しい事典でラテン語に詳しい。
『花の名前』(522種)
『木の名前』(445種)
婦人生活社/2001
の2冊は収録種数もそこそこ多く、学名(ラテン語ギリシャ語)の由来が簡潔に述べられており名前の意味を調べるには最適。図鑑としてより私個人はそういう使い方をしている(失礼)。

フィールド図鑑シリーズ
『人里の植物』
『草原の植物』
『低地の森林植物』
『山地の森林植物』
東海大学出版会/1985
の4冊は、和名(標準和名)と学名、そして和名の由来が簡潔に記載されていて簡単な調べものに使うには便利である。

初級~中級向けのFIELD GUIDEシリーズの図鑑である
『日本の野草〔春〕』(281種)
『日本の野草〔夏〕』(264種)
『日本の野草〔秋〕』(272種)
小学館/1990
の3冊セットは草本植物を大まかに把握するのに便利である。和名(標準和名)、漢字表記の他にも索引部分に学名が載っているし、全てではないにしろある程度の種に英名も付記されているので、英和辞典との連携が期待出来る。

同じFIELD GUIDEシリーズの
『日本の樹木・上』(261種)
『日本の樹木・下』(301種)
小学館/1991
『園芸植物 庭の花・花屋さんの花』(900種余り)
小学館/1995
『園芸植物 鉢花と観葉植物』(約760種)
小学館/1997
の4冊を前述の3冊に加えれば初級~中級であればかなりの部分をカバーできると考える。

エッセイ・博物誌の分野では、
『草木スケッチ帳』(1998)
『草木スケッチ帳 Ⅱ』(2002)
『草木スケッチ帳 Ⅲ』(2002)
『草木スケッチ帳 Ⅳ』(2003)
柿原申人 文・絵/東方出版
は扱う植物の種類も多く参考になる。
『毒草を食べてみた』
植松黎著/文春新書/2000
花の日本語』
山下景子著/幻冬舎文庫/2013
の2冊は私個人は“雑学知識の宝庫”として読んだ記憶がある。
『日本の樹木』(106種)
辻井達一著/長谷川哲雄 絵/中公新書/1995
『続・日本の樹木』(130種)
辻井達一著/長谷川哲雄 絵/中公新書/2006
の2冊は、著者曰く“図鑑ではなく生態誌を目指した”とのこと。必読だ。
『身近な雑草の不思議』
森昭彦著/サイエンス・アイ新書/2009
『身近な野の花の不思議』
森昭彦著/サイエンス・アイ新書/2010
の2冊は近年の生態系の撹乱(外来種など)を指摘するなど読み物として面白い。

中級~上級者向けの図鑑としては写真の美しさと解説の詳しさの点から山渓ハンディ図鑑のシリーズがお薦めだ。
『野に咲く花』(1000種)
山と渓谷社/1989
『山に咲く花』(1169種)
山と渓谷社/1996
の2冊で草本植物の多くをカバーし、
『樹に咲く花 離弁花①』(約385種)
『樹に咲く花 離弁花②』(約450種)
山と渓谷社/2000
『樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物』(約460種)
山と渓谷社/2001
の木本植物3冊を加えれば、海草・海藻を除く日本産植物のかなりの部分をカバーできる。

海草・海藻類に関しては、
『海辺の生きもの』山渓Field Books
サンゴ礁の生きもの』山渓Field Books
山と渓谷社/1994
『日本の海藻』フィールドベスト図鑑(400種)
Gakken/2002
の3冊を基本情報にしている。

この他、
『日本のスミレ』山渓ハンディ図鑑
山と渓谷社/1996
は品種・自然交配種・外来種を合わせ約150種が収録されている。また、
『高山に咲く花』山渓ハンディ図鑑
山と渓谷社/2002
は約700種を収録。
『図解 猛毒植物マニュアル』
和田宏著/同文書院/1998
『薬草毒草300+20』
朝日文庫/2000
『ベリーハンドブック』(約48種)
文一総合出版/2006
『世界のハーブ手帳 改訂版』(71種)
日販アイ・ピー・エス/2017
はピンポイントの分野を攻めている。“毒草”に関しては前述の『毒草を食べてみた』と併読するのがよろしいのではないか。“ハーブ”に関しても前述の『ハーブ学名語源事典』との併読をお薦めする。一冊で完結するのではなく複数の資料に当たってみるのは、個人的な偏向した考察(すなわち“思い込み”)を排するための独学の鉄則だと私自身は考える。

他にも野菜や果物など農業に密接に関連する情報を収録した図鑑や参考書、生態学・環境科学に関する事典なども手元にあるが、今回は一旦ここまでで列挙はやめておこう。
2022.02.16
2022.02.17(一部加筆)